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実印の書体は篆書体?印相体?専門業者が徹底比較!

2019.4.15カテゴリー:印鑑の書体について

皆さんはご自身の実印をお持ちでしょうか?
成人する、新社会人になる、結婚をするなどのタイミングで初めて作る方も多いかもしれません。
実印を作る際に気をつけるポイントはいくつかあります。
しかし、その中でも特に気になるのが書体ではないでしょうか。
そこで今回は実印に用いる書体について、それぞれの特徴を比較しながらご紹介していきます。

 

□実印とは

賃貸の契約や相続、法的な契約書のように、本人であることを正式に証明するための最も重要な印鑑を「実印」と呼びます。
中には保証人契約の書類に捺印して、実印を使う時はその契約などに対して大きな責任を伴うことがあります。
実印を作成する際にははんこの素材や直径、彫刻する名前など考えるべきことがいくつかあります。
しかし、どのような書体で名前を彫るかも大変重要です。
一度作ると長く使用することが予想されます。
つまり納得のいく書体を選ぶことがとても大切です。
書体にはいくつか代表的な種類があり、それぞれに歴史や意味、特徴があります。
ここではそれら一つ一つに分けながら解説していきます。

 

□篆書体

 

*歴史

読み方は「てんしょたい」で、古代文字に分類され長い歴史を持ちます。
歴史上に篆書体が初めて正式に登場したのは紀元前200年代で、場所は現在の中国で当時の秦であるという説が一般的です。
当時始皇帝が中国の統一を成し遂げた際、法制度や度量衡(ものの長さや重さの単位)とともに公式な感じの書体も画一化しました。
その時に用いられたのがこの篆書体です。

 

*特徴

丸みを帯びた造形が特徴的で、長年にわたり書道の代表的な書体として中国を中心に広まりました。
古いものでは歴史の教科書によく登場する「漢委奴国王印」と呼ばれる金印、現代では日本のお札に印字されている「日本銀行券」の文字やパスポートの表紙に記載されている「日本国旅券」の文字にも篆書体が使われています。
実印に最も用いられる書体の一つで、やや読みにくいことから複製をされにくい、あるいはフチがかけにくいといった特徴があります。

 

□印相体

 

*歴史

「いんそうたい」と読み、「吉相体(きっそうたい)」とも呼ばれる書体で、篆書体と並んで多くの実印に使用されています。
基本的には篆書体を基にして作られており、その歴史は他の書体と比べかなり浅いです。
基本的には篆書体を基にして作られており、印鑑に適した形に応用したものが印相体であるという説があります。

 

*特徴

文字が外側のフチいっぱいにまで広がっているのが特徴的です。
外へ広がる様が堂々としていることから縁起の良い書体として評価されることもあります。
篆書体よりもさらに可読性が低くなっており、偽造されるリスクが低いことから重要性の高い実印に適した書体であると言われています。
また作り手のこだわりが反映されやすいことから独自性を持たせることが可能です。
ハンコのフチと文字の接する点が多いことから欠けにくく、長年使用できる耐久性をそなえています。

 

□古印体

 

*歴史

現代の古印体(こいんたい)の元となったとされる大和古印は奈良時代ごろに日本で生まれた書体です。
隋や唐から伝わった鋳銅印を読みやすく日本風にアレンジし、法隆寺の法隆寺印や諏訪大社下社で使われた賣神祝印などでこの古印体が見られます。

 

*特徴

比較的読みやすく、銀行印や認印にも広く使われています。
文字全体的に丸みがあり、日本っぽさを表現した和な雰囲気を醸しだします。
隙間が多く、印材やほこりなどによる墨溜まりができやすいため、こまめな手入れが必要です。
すこし粘り気のある朱肉などを用いるとよりきれいに印影が出やすくなります。

 

□隷書体

 

*歴史

読み方は「れいしょたい」です。
いつ頃開発されたかについては諸説があるものの、秦の時代に日常で使いやすいような書体として広まり、のちに公文書にも使用されるようになったという説が多く支持されています。

 

*特徴

印鑑のみならず書道でも隷書体で表現した作品が多く、その読みやすさが大きな特徴の一つです。
安定した書体で、隙間が生まれにくく手入れが簡単なことから比較的日常で使うことの多い認印にも隷書体が多く用いられます。
印鑑が欠けにくく、丈夫であることもメリットとして考えられます。

 

□楷書体

 

*歴史

「かいしょたい」は現代の日本人にも馴染みの深い書体です。
楷書体の成り立ちにはさまざまな説があるものの、主に南北朝時代に発展したという説があります。
その読みやすさ、書きやすさから日本でも日常的に用いられ、正書と言われる書体もこの楷書体です。

 

*特徴

一画ごとに筆を離し、文字を崩さない点が他の書体との最大の相違点です。
読みやすいため認印に多く用いられますが、複製のしやすさから実印にはあまり適していないとも言われています。
大量生産されるシャチハタや三文判にもこの楷書体を使われることがあります。

 

□まとめ

以上、今回は実印に用いる書体について比較しながら解説しました。
実印を新たに作る際にはこの記事を参考に書体選びをしていただけますと幸いです。

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印鑑の知識

  • ■印鑑登録について

    どんな印鑑でも印鑑登録をして実印として使えるわけではありません。大きすぎる印鑑や小さすぎる印鑑もNGですし、材質によっても不可となる場合があります。詳しくはこちら

  • ■作成可能な文字数について

    基本的に印鑑市場手書き文字館では作成する彫刻印鑑の文字は全て手書き文字で作成するため、物理的に可能な文字数であれば、どのような文字でも書くことができます。
    但し、狭いスペースに詰め込み過ぎると線が細くなりすぎたりして、彫刻に耐えれなくなります。
    文字数は漢字やひらがななど組み合わせる文字によって異なります。

  • ■紛失したので前と同じ印鑑が欲しい場合

    実印や銀行印に使う彫刻印鑑は、同じものを作ることはできません。
    そのため紛失した際は、新しい印鑑を作り必ず再登録の必要があります。
    実印や銀行印にゴム印等の同じものがいくらでもできるような印鑑が登録不可の理由はそこにあります。

  • ■印鑑の文字が何と書いてあるか読みにくい

    特に実印では「印相体」という現代文字と一見異なる形状を持つ書体が好まれますが、特に印相体が読みにくいのは当然です。
    読みにくいからこそ、印影を第3者が見ても一目で何と書いてあるか判りにくく、防犯性に優れていると言われています。

  • ■同じ名称の印鑑でもお店によって、どうして価格が違うの?

    それは、材質も微妙に異なる場合もありますが、基本的には作成方式によって価格は異なるからです。
    大量生産の激安店では、作成にかける時間や人員を割くことができません。
    印鑑市場手書き文字館では少々価格は高くなりますが、文字の作成から手書き文字で作成し、美しい文字でこの世に1本だけの安全な印鑑を作ることに努めています。