公開日:2025.8.4カテゴリー:印鑑について
更新日:2025.7.7
副業を始めると、収入を得るために請求書の作成が不可欠になります。
しかし、請求書の作成に慣れていないと、印鑑の扱いについて戸惑う方も多いのではないでしょうか。
特に、どのような印鑑を選べばいいのか、押印方法は正しいのか、電子印鑑の利用は可能なのかといった疑問は、副業初心者にとって大きな悩みの種となるでしょう。
今回は、副業における請求書作成と印鑑に関する疑問を解消し、スムーズな請求書発行の手助けとなるよう、印鑑選びから押印方法、電子印鑑の利用まで、分かりやすく解説します。
請求書作成に関する不安を少しでも軽減し、副業に集中できるよう、ぜひ最後までお読みください。
副業の請求書で印鑑は必要?
法的義務とビジネス慣習
請求書への印鑑押印は、法律で義務付けられていません。
請求書自体、法的に定められた書式や作成義務のある文書ではないため、印鑑がなくても法的な問題はありません。
しかし、ビジネスの現場では、印鑑を押すことが一般的です。
これは、印鑑が請求書の信頼性を高め、改ざん防止に役立つと考えられているためです。
例えば、取引先が中小企業の場合、担当者個人の判断で請求書の受領可否が決定されることが多く、印鑑の有無がその判断材料となるケースがあります。
口頭での請求は、言った言わないのトラブルになりやすく、証拠能力が低いことから、書面による請求が好まれ、その書面への印鑑押印が、信頼性と法的証拠としての機能を果たす役割を担っていると言えるでしょう。
特に、金額が大きい取引や、継続的な取引においては、印鑑の有無は取引相手との信頼関係構築に大きく影響します。
印鑑不要なケースの解説
クライアントとの間で、事前に印鑑不要の取り決めがされている場合、印鑑は不要です。
例えば、クラウドソーシングサイト等を通じて、オンライン上で完結する取引の場合、取引履歴がシステム上に記録されており、印鑑は不要となるケースが多いです。
電子的なやり取りが中心で、取引内容が明確に記録されている場合などは、印鑑の必要性は低くなります。
また、個人間での少額取引など、信頼関係がしっかり構築されている場合も、印鑑なしで請求書が受け入れられる可能性があります。
例えば、長年付き合いの友人や知人との間での、少額なデザイン依頼などの場合は、印鑑の省略が許容されるケースも考えられます。
ただし、このようなケースでも、トラブル防止のために、取引内容を明確に記録しておくこと、例えば、メールのやり取りやチャットログを保存しておくことは非常に重要です。
印鑑が必要なケースの解説
多くの企業や官公庁では、請求書への印鑑押印を要求しています。
これは、請求書の信頼性を高め、改ざん防止に役立つと考えるためです。
特に、高額な取引や重要な取引の場合には、印鑑を押すことが求められるケースが多いでしょう。
例えば、数百万円規模のシステム開発を受託する場合、請求書への印鑑押印は必須条件となる可能性が高いです。
また、取引先が印鑑押印を必須としている場合、その要求に従う必要があります。
契約書などに記載されている場合もありますので、事前に確認しておくことが重要です。
契約書に「請求書には必ず実印を押印すること」といった条項が明記されているケースも珍しくありません。
副業に最適な印鑑の種類
実印・角印の特徴と使い分け
実印は、法務局に登録された印鑑で、重要な契約などに使われます。
例えば、不動産の売買契約や会社設立登記など、重要な法的効力を持つ書類に押印する際に使用されます。
一方、角印は、会社名や屋号が刻印された印鑑で、請求書などによく使われます。
請求書には、実印ではなく角印を使うのが一般的です。
実印は紛失や盗難のリスクが高いこと、また、頻繁に使用するものではないことから、請求書には角印の方が適しています。
角印は、会社や事業の代表としての印鑑であり、請求書に押印することで、その請求が正当なものであることを示す役割を果たします。
ただし、個人事業主の場合は、実印と角印の区別なく、普段使っている印鑑を使用しても問題ありません。
ただし、個人事業主であっても、取引先によっては角印を推奨される場合もありますので、事前に確認することが大切です。
シャチハタ印鑑の利用可否
シャチハタ印鑑(浸透印)は、手軽に使用できるため、請求書に利用する方もいます。
しかし、シャチハタ印鑑は、その手軽さゆえに改ざんの可能性も考慮する必要があります。
例えば、印影が簡単に複製できるため、不正な請求書を作成されるリスクも考えられます。
クライアントがシャチハタ印を認めない可能性も十分にあるため、事前に確認することが重要です。
特に、企業との取引の場合、信頼性を重視して、シャチハタ印以外の印鑑を使用する方が無難です。
取引先によっては、シャチハタ印の使用を明確に禁止している場合もあります。
電子印鑑のメリットと注意点
電子印鑑は、パソコンやスマートフォンでPDFファイルなどに電子的に押印できる印鑑です。
作成方法には、実印をスキャンする方法、画像編集ソフトで作成する方法、専用の電子印鑑作成ソフトを使用する方法などがあります。
実印をスキャンする場合は、高解像度でスキャンし、歪みや影がないように注意が必要です。
電子印鑑は、紙の印鑑と比較して、作成や保管が容易で、郵送の手間も省けます。
例えば、遠隔地にある取引先への請求書送付に電子印鑑を使用することで、郵送にかかる時間とコストを削減できます。
しかし、電子印鑑のセキュリティ対策は重要です。
不正な利用を防ぐため、パスワード設定や、信頼性の高い電子印鑑作成ソフトを使用するなどの対策が必要です。
また、取引先に電子印鑑の利用が認められているか事前に確認する必要があります。
多くの企業では、電子印鑑の利用について、社内規定や取引条件で規定しているケースがあります。
請求書の正しい押印方法
押印位置と押印方法
請求書への押印位置は、フォーマットに捺印欄があればそこに、なければ会社情報(社名、住所など)の右側に押印するのが一般的です。
印影が鮮明で、文字に被さるように押印することで、改ざん防止にも繋がります。
例えば、社名や住所などの重要な情報にかぶるように押印することで、改ざんされた場合、すぐに判明しやすくなります。
押印する際は、印鑑を垂直に持ち、ゆっくりと丁寧に押印し、印影が鮮明に、かつ綺麗に押せるよう注意しましょう。
インクがかすれたり、はみ出したりしないように、印鑑の状態も確認しておきましょう。
印鑑の管理と保管方法
印鑑は、紛失や盗難を防ぐために、大切に保管することが重要です。
印鑑ケースを使用したり、金庫に保管したりするなど、適切な管理方法を選びましょう。
また、印鑑の複製は、不正利用のリスクを高めるため、厳重に管理する必要があります。
例えば、印鑑の登録証を紛失しないように、大切に保管しましょう。
副業の請求書と電子印鑑
電子印鑑の作成方法と手順
電子印鑑の作成方法は、実印をスキャンする方法、画像編集ソフトで作成する方法、専用のソフトを使用する方法などがあります。
実印をスキャンする場合は、高解像度スキャナーを使用し、画像の歪みや汚れを修正する必要があります。
画像編集ソフトを使用する場合は、専門的な知識が必要となる場合があります。
専用のソフトを使用する場合は、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
いずれの方法も、印影が鮮明で、改ざんされていないことが重要です。
作成した電子印鑑は、PDFファイルなどに挿入して使用します。
PDF編集ソフトの機能を利用して、電子印鑑を挿入し、署名欄に配置します。
電子印鑑利用時の注意点
電子印鑑を使用する際は、取引先に事前に利用の可否を確認することが重要です。
メールや電話で確認し、書面で承諾を得るなど、明確な合意形成を図る必要があります。
また、電子印鑑のセキュリティ対策として、パスワード設定や、信頼性の高い電子印鑑作成ソフトの使用が推奨されます。
電子印鑑のデータは、不正アクセスや改ざんから保護するために、適切な場所に保管する必要があります。
例えば、クラウドサービスを利用する場合は、セキュリティレベルの高いサービスを選び、パスワード管理を徹底しましょう。
電子印鑑とセキュリティ
電子印鑑は、紙の印鑑と同様に、改ざん防止の観点からセキュリティ対策が重要です。
信頼性の高い電子印鑑作成ソフトや、パスワード設定などの対策を講じることで、セキュリティリスクを軽減できます。
また、電子印鑑のデータは、不正アクセスや改ざんから保護するために、適切な場所に保管する必要があります。
例えば、個人情報や機密情報と同様に、暗号化して保管することが重要です。
まとめ
副業の請求書作成において、印鑑の必要性は法律上は無いものの、ビジネス慣習として、信頼性向上や改ざん防止のため、印鑑を押すことが一般的です。
請求書に使用する印鑑は、角印やシャチハタ印が一般的ですが、クライアントの要望や取引内容に合わせて適切な印鑑を選びましょう。
押印位置や方法にも注意し、印影が鮮明で、改ざんされていないことを確認することが重要です。
電子印鑑も利用できますが、セキュリティ対策を十分に行った上で、取引先に利用の可否を確認する必要があります。
これらの点を踏まえ、スムーズな請求書発行を目指しましょう。
副業の成功には、請求書作成を含む事務作業の効率化が不可欠です。
適切な印鑑選びと押印方法を理解することで、安心して副業に取り組めるようになります。