2020.4.20カテゴリー:印鑑について
「実印を作ろうかな」
と考えている方はいませんか。
日本人であれば、幼いころから「ハンコ」を使う機会があったのではないでしょうか。
しかし、実印となるとわからないことが多い人がいます。
ハンコは文化に結びついているところが大きいため、「ルールとかあんまりよくわからない」となりがちです。
□実印とはなにか?
実印とはあらかじめ、市町村に届け出を出して、登録された印鑑のことを実印と呼びます。
実印は安全上の理由から、1人1本のみ登録が認められています。
個人の実印だと、不動産登記や公正証書といった重要な取引で使われます。
銀行印や認印との違いは市町村に実印登録されているかどうかです。
そのため、銀行印と実印でハンコ自体に違いがあるわけではありません。
ただ、荷物の受け取りなどで使う認印は百円均一でも問題ないですが、実印は一般的にハンコ屋で掘ってもらうのが一般的でしょう。
百円均一で販売されている、三文印はコンピューターで作られているため、印影が同じものが世間に大量に出回っています。
つまり、三文印を実印として使用するとコピーされて悪用されるリスクが高いです。
そのため、実印は判子屋で手彫りしてもらうのが主流です。
□フルネームで掘るか?
実印作成の際に悩むのが、フルネームで名前を彫るか、苗字や下の名前単体で掘るかです。
住民登録をしている名前であれば、「姓名」「姓のみ」「名前のみ」のどれでも登録できます。
ただし、注意したいのが「姓のみ」で登録しても家族間での実印の共有はできません。
偽造されるリスクを少しでも軽減したい場合はフルネームの実印を作成することをおすすめします。
*フルネームで作るメリット
仮に、家族全員が苗字だけで印鑑登録をしたとします。
書体が同じであれば、見分けがつかず家族内で実印を取り違えてしまうリスクがあります。
実印で人気の書体は主に篆書体と印相体なので、家族が3人以上いる場合は書体での作り分けが難しいです。
日本に多くいる名前の人で、全国に同姓同名が多くいそうな場合でも、フルネームで作成し、「書体」「印材」「サイズ」を組み合わせていけば、全く同じ実印が存在しなくなります。
*「下の名前」で作るのがおすすめの人
下の名前で実印を作成した方がいいのは女性です。
なぜなら、結婚すると苗字が変わる人が多いためです。
住民登録されている名前の判子のみ実印として使えるので、フルネームで実印を作成した場合、苗字が変わるとその実印は使用できなくなります。
実印を変更するには地域の役所で登録の解除と新しい印鑑の登録の手続きが必要です。
また、思い入れのある実印であったとしても、印鑑登録を間抹消せざるを得ません。
「名前のみ」で作れば、結婚後もそのまま実印として使用できます。
1つの実印を長く使いたい方は「下の名前」で作成するのがいいでしょう。
余談になりますが、結婚を見据えて女性は実印を下の名前で掘る人が多いため、女性の実印は男性のモノよりも小さい傾向にあります。
男性の一般的な実印のサイズは16.5ミリメートル~18ミリメートルなのに対し、女性は13.5ミリメートル~15ミリメートルの実印を使う方が多いです。
また、最近ではキラキラネームも流行っています。
キラキラネームであれば、名前の被りも少ないです。
さらにキラキラネームは下の名前だけでも文字数が3文字を超えることもあります。
文字数が多いと防犯性は高くなりますが、文字がつぶれてしまい、名前が読めなくなる可能性もあります。
そのため、キラキラネームの方にも下の名前のみで掘ることをおすすめします。
*「フルネーム」「苗字」「名前」の文字数が奇数の場合
ハンコは3文字や5文字と奇数で掘ると仕上がりのバランスが悪くなります。
そのため、掘る文字を偶数にしたい方もいますよね。
実は掘る文字数を偶数にする方法があります。
判子は掘る文字の最後に「印」か「之印」の文字を掘ることが許されています。
これらの文字を追加で掘ることで文字数を偶数にできます。
□ハンコの雑学
ここで少しハンコの雑学を紹介します。
今や100円以下でハンコが買えるのは当たり前です。
しかし、ハンコはもともと有力者たちしか持てなかった品でした。
歴史の授業で習うように、邪馬台国は魏からの金印を権力の証として使いました。
また、日本でハンコが誕生したのは奈良時代と言われています。
誕生した当時はハンコを持つのに許可が必要でした。
さらに、ハンコの製造や販売にも許可が必要でした。
一般の庶民の間で印鑑が普及し始めたのは、1873年に太政官布告で捺印をする制度が定められてからです。
印鑑が正式に市民権を得た日として10月1日が「印章の日」とされました。
この日を境にして急速に印鑑が普及したそうです。
昔の人たちからすれば100円均一でハンコが売られているのは異様な光景でしょう。
□まとめ
今回は実印について説明しました。
実印は長く使うモノなので、「文字数」「書体」「印材」を慎重に選ぶことをおすすめします。
実印の作成を検討でしたらこの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
実印をはじめ、印鑑の作成でしたら当社にお任せください。
お問い合わせお待ちしております。